VMware 担当者コラム
VMware・デジタルワークスペース
Horizon8のユースケース
皆さま、こんにちは。
VMware担当の田畑です。
今回はHorizon8のユースケースや運用する際のポイントについて、インスタントクローンを中心にご説明いたします。
インスタントクローンの概要については前回のコラムをご確認ください。
Horizon8のユースケース
Horizon8 2012バージョン以降、VDIを展開する際はフルクローンもしくはインスタントクローンのどちらかになります。
フルクローン
フルクローンを利用するケースとしては、専用プールにてユーザー一人ひとりにVDIを割り当て、再ログインした際にも同じVDIに接続できるようにします。フルクローンにてユーザーそれぞれにVDIを割り当てることで、物理PCと同じように自由に使用することができます。ただし、VDIのストレージ容量がクローンした数分必要となり、十分なストレージ容量を用意する必要があります。
インスタントクローン
インスタントクローンは、フローティングプールにて使用するユーザーがVDIからログオフするとそのVDIは削除もしくはリフレッシュされ、再度ログインする際には更新済みのVDIに接続します。そのため、毎回クリーンな状態のVDIを利用する形となります。また、VDIはペアレントVMのディスク及びメモリを共有して実行されるため、フルクローンよりもストレージ容量を抑えたVDIの展開が可能です。
利用ケースとして、PC教室や都度環境をリフレッシュして利用する場合に最適な展開方法になります。
インスタントクローンは、利用したいアプリケーションが部署ごとに異なっている場合、ベースとなるマスターVMを複数準備しなければいけないため、管理が煩雑になるケースがございます。
また、ユーザープロファイルやユーザーデータについては、切断のたびにリセットされてしまうので、別途検討する必要があります。
そこでインスタントクローンをより効率的に利用する考え方として、「JMP*テクノロジー」と呼ばれるものがございます。
App Volumesと組み合わせることでアプリケーションを柔軟に提供できるため、マスターVMの数を減らし管理を簡素化できます。また、ユーザープロファイルや個別設定をDynamic Environment Manager(以下DEM)を使用することで、ユーザーが常に自分のデータや設定情報を利用することができるようになります。
*JMP:Just-in-Time Management Platform
では、それぞれの概要について下記にてご紹介いたします。
ユーザーのプロファイル管理
ユーザープロファイル管理については、移動プロファイルやFSLogix、DEM等が利用されます。本コラムではDEMについて紹介いたします。
ユーザーはVDIにログインすると、自分のWindowsの個別設定を利用することができます。Windowsに関する設定であれば、他のソリューションでも実現できます。
加えて、DEMであれば、ユーザーが利用する個別アプリケーションの設定も保持することができます。アプリケーションを起動すると、ユーザー設定を動的に適用し、前回の個別設定情報を引き継いだ状態でアプリケーションを利用することができます。
DEMではユーザーのデータはフォルダリダイレクトによって管理されます。
DEMによって設定できる項目には下記のようなものが挙げられます。
・ネットワークドライブの割り当て
・デスクトップのショートカットの配置
・プリンターのマッピング
・ブラウザの初期設定
Horizonのアプリケーション管理(App Volumes)
Horizonで利用できるアプリケーションの配布方法として、App Volumesという機能がございます。
App Volumesは、あらかじめアプリケーションをインストールしたボリューム(パッケージ)を用意し、ユーザーやコンピュータなどにこのパッケージを紐づけることで、ログイン時に管理者が指定したアプリケーションをユーザーに利用させることができます。
また、Writable Volumesを活用することで、ユーザー個別のボリュームも提供できるため、ユーザーは決められたアプリケーションを利用するだけでなく、自由なアプリケーションのインストールも可能になります。
App Volumesによって、アプリケーションを柔軟に割り当てることができるので、アプリケーションをインストールしたマスターVMを用意する必要がなくなり、結果としてマスターVMの台数を減らすことができます。
JMPテクノロジーの全体像
インスタントクローン、DEM、App Volumesの機能を組み合わせることによって、ユーザーの用途に合わせたVDI環境を展開することが可能になります。
今回のコラムはここまでになります。
次回はインスタントクローンの展開手順についてご紹介いたします。
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