2Node vSAN構築奮闘記 -その(3)ネットワーク設定編-

皆さま、こんにちは。
VMware担当の田畑です。

今回のコラムでは前回から引き続き、2Node vSANの構築をご紹介していきます!
前回のコラムもぜひご確認ください。
2Node vSAN構築奮闘記 -その(1)概要編-
2Node vSAN構築奮闘記 -その(2)Witness Appliance作成編-

また、vSAN構築作業の概要は下記になります。
1. Witness Applianceの作成→完了
2. vSAN用ネットワークの設定  ←今回はココ!
3. vSANの有効化
4. その他(vSphere HAの設定、ディスクグループの管理等)

前回Witness Applianceを作成し、vCenter Serverへ登録するところまでご紹介しました。

vSANを利用するために次に必要な作業は「ネットワーク設定」になります。
そこで今回私が構築したネットワーク設定の説明をしていきます。

まず下記図にて今回設定したネットワークの全体イメージと概要をご説明します。
オレンジ色のネットワークはWitness用、緑色のネットワークはvSANのデータやり取り用の役割として利用します。
※vmk0,vmk1ではVMkernel0とVMkernel1で有効にした機能を記載しております。

下記は第1回のコラム内で紹介したケーブリングの写真になります。
オレンジ枠はWitnessの通信や仮想マシンの通信用としても利用するRJ-45(1000Base-T)×4ポートになります。
緑枠はvSAN用のネットワークとして10G SFP+ DACケーブルにてサーバー間を直結接続しています。

また、下記は仮想スイッチの概要図になります。
オレンジ枠、緑枠にてそれぞれ物理NICが有効であることが確認できます。

本コラムでの設定はVMware vSAN 2 Node Guideにてサポートされている構成となっております。
詳細は下記URLの「Sample configuration using Witness Traffic Separation using only the Management VMkernel Interface on each ESXi Host」をご確認ください。
https://storagehub.vmware.com/t/vsan-2-node-guide/network-design-considerations-7/

※Witnessの通信を、vSwitchを分けて使用する場合(vmk0とvmk1それぞれにIPアドレスを振る場合)、異なるサブネットのIPアドレスを割り当てる必要がございます。詳細は下記KBをご確認ください。
https://kb.vmware.com/s/article/2010877?lang=ja

vSANノードのvSANネットワークの設定

vSAN用の2ノードからネットワークの設定を行います。

まずvSAN用のVMkernelを作成するため「ネットワークの追加」ウィザードを開きます。
ここでは「VMkernelネットワークアダプタ」を選択します。

ターゲットデバイスの選択では、「新しい標準スイッチ」を選択します。
また、今回ジャンボフレームを有効にするため、MTU(バイト)は「9,000」としています。

※ジャンボフレームとは
ジャンボフレームを使用すると、ESXiホストでより大きいフレームを物理ネットワークに送信することができます。
(物理ネットワークアダプタがジャンボフレームに対応している必要があります。)
MTUの数値をデフォルトの1,500バイト以上にすることでジャンボフレームを有効にすることができます。(最大値は「9,000」)

標準スイッチの作成では、10Gのケーブルを有効なアダプタとして登録します。

ネットワークラベル名は今回「vSAN」としています。
使用可能なサービスでは、必ず「vSAN」にチェックを入れます。

あとはVMkernelのIP設定を行い、全体の設定を確認し作成します。
標準スイッチ:vSwitch1が作成されているのを確認します。

さらにvmk1の有効になったサービスに「vSAN」が追加されているかを確認します。
確認出来たらもう1台のvSANノードでも同様にVMkernelを作成します。

Witnessのネットワーク設定

次にWitnessのネットワーク設定を行います。
まず初めにWitness Applianceの設定から行いました。

Witness Applianceはデプロイした際にデフォルトで2つの仮想スイッチが作成されており、
vSwitch0のvmk0(VMkernel0)に「管理」、witnessSwitchのvmk1(VMkernel1)に「vSAN」機能が有効化されています。

今回私が構築した環境では、「管理」用のvmk0に「vSAN」を追加させて利用させます。
具体的な作業としては、vmkの設定編集ウィザードより下記の様に有効にするサービスを変更します。

vmk0:vSANを有効化(チェックを入れる)

vmk0:vSANを有効化(チェックを入れる)

vmk1:vSANを無効化(チェックを外す)

vmk1:vSANを無効化(チェックを外す)

設定後のVMkernelの情報は下記になります。
これでWitness Appliance側のネットワーク設定は完了です。

※本構成ではvmk1は使用しないため、IPアドレスの設定等は不要です。今回vmk1に自動で割り当たっているIPは「169.254.x.x」(リンクローカルアドレス)になります。

次に2Node vSAN側のWitnessの設定を行います。

こちらも先ほどと同様に「管理」用のvmk0に「vSAN監視」の機能を追加します。
ただし、「vSAN監視」の機能はvmkの設定編集ウィザードでは有効化することができません。

ではどの様に設定するのかと言いますと、SSHでESXiホストにアクセスしコマンドで有効化を行う必要があります。 今回はTera Termを用い、下記手順にて設定を行いました。
(1)「esxcli vsan network list」コマンドにて、vSANの通信にどのVMkernelが使用されているかを確認します。

(2)先ほどvSANノードのvSANネットワークの設定にて、vmk1に「vSAN」機能が有効化出来ていることを確認できます。

(3)「esxcli vsan network ip add ?I vmk0 ?T=witness」コマンドを用いて、vmk0にwitness(vSAN監視)を追加します。

(4)もう1度「esxcli vsan network list」コマンドでvSANの通信を確認すると、vmk1だけでなく、vmk0にwitness(vSAN監視)機能が追加されているのが確認できます。

コマンドにて設定後、VMkernelの情報を確認すると、「vSAN監視」が有効になっていることを確認できました。
また、vmk0のポートプロパティ内にも「vSAN監視」が追加されています。

改めて今回設定したネットワークの全体イメージを確認すると、本コラムで設定した内容がより理解できると思います。

今回のコラムはここまでになります。
次回はvSANの有効化を行っていきますのでお楽しみに!

VMwareの記事




※閲覧にはiDATEN(韋駄天)へのログインが必要です。