データセンター時代に即した組織体制に刷新したレノボ 顧客に合わせたソリューションをパートナーとともに展開 -新事業部名は「データセンターグループ」-

 レノボはこの4月、法人向けのサーバー販売を担っていた「EBG:エンタープライズビジネスグループ」の名称を「DCG:データセンターグループ」に変更した。加速するデータセンター時代を強く意識した刷新である。その名称の通り、データセンターインフラの構築・運用を効率化し、迅速なサービス展開を可能にする製品・ソリューションを、パートナーとともに提供していく。

レノボ・ジャパン株式会社 データセンターグループ事業本部 事業部長 上原 宏 氏/DCG製品本部 本部長 武田 香代子 氏

データセンターの見直し・新設需要が高まる

 クライアント・サーバー時代からクラウド・モバイル時代に突入した現在は、データセンターの重要性がこれまで以上に高まっている。MM総研が昨年9月に発表した国内クラウドサービス市場規模予測によると、2014年度の国内クラウド市場は前年度比23.8%増の7,749億円であり、2019年度までの年平均成長率は21.7%、2019年度の市場規模は2014年度比2.7倍の2兆679億円にまで成長すると予測している。
 この数値は、パブリッククラウド、プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミス、コミュニティ)を合わせた数値であり、クラウドサービス提供の基盤となるデータセンター(企業内・事業者)の需要も自ずと高くなることがはっきりと予測できる。
 レノボ・ジャパン 事業部長 データセンターグループ事業本部の上原 宏氏は、データセンターが重要性を増す背景について次のように説明する。「2020年までにネットワークに接続されるデバイスの数は300億個、サーバーにおける99.99%以上の稼働率を必要とするユーザーは世界で71%、2020年までにオールクラウド化を実現するユーザーは現在の5倍、そしてビッグデータがビジネスの成功に必須と考える企業の割合は70%という調査結果があります。これらを実現するインフラとして重要な位置づけとなるのがデータセンターなのです」
 そして、「お客さまの要望は、いかにデータセンターインフラを短期間で効率よく構築して新たなサービスの運用を開始できるか、にシフトしています」と解説する。

レノボ・ジャパン株式会社 データセンターグループ事業本部 事業部長 上原 宏 氏

レノボ・ジャパン株式会社
データセンターグループ事業本部
事業部長 上原 宏 氏

「データセンターグループ」へと事業部名を変更

 レノボはこのような市場の動きを踏まえて、エンタープライズ向けの事業を担当する「EBG:エンタープライズビジネスグループ」の部署名を「DCG:データセンターグループ」へと変更した。顧客ターゲットをより明確にし、データセンターに必要なものはすべてレノボから提供することを意味している。これはデータセンター需要の増加だけでなく、データセンターのこれからの変化を見越した決断でもある。その意図を上原氏は次のように補足する。  「現在のデータセンターは、サーバー、ストレージ、ネットワークの3要素の中で、サーバーだけが仮想化されているケースがほとんどです。しかし、データセンターを活用したサービス提供が加速していく今後は、システムのさらなる柔軟性や拡張性がデータセンターに求められていきます。そのため、サーバーだけでなく、ストレージの仮想化(SDS)やネットワークの仮想化(SDN/NFV)が進むでしょう。当社は、そのような中で求められるデータセンターインフラを、お客さまの要望に応える形ですべて提供していきます
 レノボはデータセンター向けソリューションの提供において、顧客の四つの状況(ステージ)に応じたソリューションを提案していく。ステージ1は「ビジネスの規模、運用スタイルに最適なデータセンターデザイン」の実現レベルにある顧客であり、ラック型、ブレード型、高密度型サーバー製品からストレージ、ネットワーク製品、そして管理製品などデータセンターを構成する各種の製品を提案する。ステージ2は「データセンターにおけるソリューションの最適化とデプロイメント」のステージにある顧客で、SAP、マイクロソフト、VMware、Red Hatなどのリファレンスアーキテクチャーを提案する。ステージ3は「クラウド環境の自動化やオーケストレーション」の実現を望む顧客だ。シンプルで反復可能なインフラの導入・管理を実現する「Lenovo XClarity」を用意している。ステージ4は「データセンターサービスのデプロイメント」の段階にある顧客であり、データセンター全体の運用を効率化させる際のさまざまな課題を解決するサービスとサポートを提供する。
 「お客さまのそれぞれのステージに合わせて、最適な製品やソリューション、アドバイスを提供していきます」(上原氏)

顧客満足度は4四半期連続で1位を獲得

 レノボは高性能サーバーから低価格ストレージ、NVMe SSDやHigh IOPSアダプターといった次世代ストレージオプションなど、最新技術を採用した高性能・高品質のハードウェア、そしてサーバー管理の手間を最大で95%削減する管理ツール Lenovo XClarityなどを提供するが、そうしたハードやソフトに加えて、24時間365日の保守サービスが受けられる3年保証が標準添付されるなど、万全の保守体制も魅力である。
 「すべてはお客さまに満足していただくためです。2014年にIBMから買収したSystem xシリーズの保守においても、以前と同様、日本IBMによる保守提供を継続させており、高い評価をいただいています」とレノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長 兼 製品企画部 部長の武田香代子氏はアピールする。  実際の顧客満足度においても高い評価を得ている。米調査会社Technology Business Researchの顧客満足度調査によると、レノボのサーバーは最新の調査において4四半期連続で1位を達成した。2015年第4四半期の評価では、「総合評価」「保守サービス」「製品」「営業対応」など22の項目で顧客満足度1位を獲得しているのだ。
 データセンターグループへの事業部名変更はデータセンター時代に必要とされるソリューションを全域でカバーし、顧客の要望にこれまで以上に応えていくことの決意表明でもある。高い顧客満足度も背景に、レノボが提供するデータセンターソリューションは、その存在感をこれまで以上に強めていくだろう。

レノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長 武田 香代子 氏

レノボ・ジャパン
データセンターグループ事業本部
DCG製品本部
本部長 武田 香代子 氏

後編へ続く

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