HYCUで楽々データ保護
第24回 バージョン4.5.1のリリース

 
 
こんにちは、HYCUの吉田です。
 

2022年7月にHYCUの新バージョンである4.5.1がリリースされました。 前回のバージョン4.5.0からの主な新機能・機能拡張についてご紹介したいと思います。

主な新機能はこちらの通りです。
 

  1. 米国連邦政府機関向けNIAP認証取得
  2. スナップショット作成とバックアップジョブの分離
  3. Backup from ReplicaでNutanix Leapをサポート
  4. Nutanix Filesバックアップの圧縮機能として、VM対応と同じZstandard (Zstd) を採用
  5. 物理マシン対応として新たにWindows 2022をサポート
  6. Wasabi WORMのサポート(前バージョン4.5.0 + Hotfixでサポート済み)

 
上記の内、2番と3番はバックアップ運用にとても役に立つ機能ですから詳しく説明させて頂きます。

「スナップショット作成とバックアップジョブの分離」とは?

これまで、バックアップと言えば別のストレージにバックアップデータを保存することを指していました。バックアップの流れとしてはこちらの通りです。

(1)HYCUバックアップコントローラーがバックアップジョブを開始
(2)仮想基盤が対象マシンのスナップショットを作成
(3)バックアップ実行(対象マシンのデータをバックアップストレージへコピー)
(4)仮想基盤が対象マシンのスナップショットを削除

 
しかし、Nutanix基盤を前提とすると、Nutanixは効率的なスナップショット技術を採用している為、スナップショットを削除せずに保持し続けたとしても、仮想マシンのパフォーマンスが低下しない(低下しにくい)特長を持っています。そこで、HYCUはバックアップ後もスナップショットを保持し続ける機能を別途提供しています。
そうすることで、スナップショットから仮想マシン全体または内部のファイル/フォルダを個別に高速復元することを実現します。ここまでが前提です。
 

今回のv4.5.1では、バックアップジョブでNutanixスナップショットだけを作成し、データをバックアップストレージにコピーすることを排除することもできるようになりました。バックアップの流れはこのようになります。
 

(1)HYCUバックアップコントローラーがバックアップジョブを開始
(2)仮想基盤が対象マシンのスナップショットを作成

 
以上です。作成されたNutanixスナップショットは設定された保持期間だけ保持します。
注意点ですが、対象はNutanixの仮想マシンとボリュームグループになります。Nutanix Filesでは実行できません。vSphere基盤もサポート外になります。
 

これだけではあまり意味がないように思われるかもしれませんが、これを永久増分アーカイブ機能と連結すると大きな意味になります。
HYCUはオブジェクトストレージに対し、効率的で低負荷な永久増分方式でデータをアーカイブする機能を持っています。オブジェクトストレージはデータをIDで管理する仕組みを持っているため、このIDを利用することで、合成処理を必要とすることなく、どの世代のアーカイブデータからも一括してデータを復元できます。
その為、1つの例ですが、オンプレミスのバックアップストレージを持つことなく、DR対策(外部保管先)としても効果のあるクラウドストレージへ直接バックアップすることを実現します。(正確には1次バックアップがNutanixスナップショット、2次アーカイブがクラウド保存になります。)
 

 
構成がシンプルでありながら、それでいてスナップショットからの高速復元と外部への効率的なデータ保管の両方を実現するソリューションになります。

「Backup from ReplicaでNutanix Leapをサポート」とは?

HYCUには以前からBackup from Replicaと言う機能があります。これは3-2-1ルール(3つのデータ、2種類のメディア、1つは別の場所)を実現することを目的とした機能です。

複数のNutanixクラスタで構成される環境において、保護ドメインを使用すると、別のクラスタ上に仮想マシンのレプリカスナップショットを作成することができます。
これだけでも強力なデータ保護ですが、3-2-1ルールを実現したい、他のストレージに長期間データを保存したいといった要件を満たすことは難しいです。そこで、HYCUが機能を補完することで、レプリカ側からデータを別ストレージにバックアップすることを実現します。その結果、例えばマルウェア感染からの復旧や1ヶ月前のデータを抽出するといったことが可能になります。

今回のバージョンでは、Nutanix保護ドメインに加え、Nutanix Leapにも対応をしました。これまで以上に複雑な要件や構成に対処できるようになると思います。
 

 
いかがでしょうか。

HYCUは30日間使用できる評価版をご提供しておりますので、是非お試し頂けると幸いです。

 
どうもありがとうございました。