Collaboration 第09回 「NATトラバーサルをビデオ会議システムに組み込むのは可能なの?」

こんにちは。ディーアイエスサービス&サポートでコラボレーション製品を担当している中村です。

前回はビデオ会議通信とNATの相性が悪い点とこの相性の悪さを解決する機能(NATトラバーサル)をネットワークで実現する方法について説明させていただきました。ネットワークでNATトラバーサル機能を実装するのは理想的ですが、ネットワークはビデオ会議のためだけに存在するものではありません。ネットワークは既に出来上がっており、手を加えることが困難な場合もあります。そういう時はNATトラバーサル機能をビデオ会議システムで実装する必要があります。

ではどのようにしてビデオ会議システムでNATトラバーサルを実装するのでしょうか?
それを理解するためにはビデオ会議で利用するUDPパケットのNAT方法を理解する必要があります。

①LAN側の端末である送信IPアドレスA(SIP)は特定の宛先IPアドレスB(DIP)に送信元ポート番号C(SPO)、宛先ポート番号Dを送信します。
②NATルータはこのパケットSIPをAからA’、SPOをC’に変更後に送信し、戻りのパケットが到着することを想定してインターネット側からSIP B、DIP A‘、SPO D、DPO C’のUDPパケット通信を一定期間許可します。
③NATルータが許可している間は戻りの通信がNATルータを通過します。
④通信がしばらくの間発生しなくなるとNATルータはこの通信許可を削除します。

このようにしてUDP通信はNATルータを通過します。

図1.UDPのNAT方式

ビデオ会議システムで実装するNATトラバーサルの1つであるSTUN(Session Traversal Utilities for NATs)はこの特性を利用します。ただし、この方法はNATルータがどのような方法でNATを行っているのかを確認する必要があります。そのために端末はインターネット上のサーバと通信を行う必要があります。端末側にインストールされるソフトウェアをSTUNクライアントと呼び、インターネット上のサーバをSTUNサーバと呼びます。

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