Cisco 担当者コラム
Cisco・Collaboration
Collaboration 第82回 「Microsoft Teams会議におけるWebexデバイス活用術 その1 ~USBパススルー~」
こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。
CiscoWebexデバイス(ビデオ会議端末)は、会議室の規模や使用用途に合わせて豊富なポートフォリオが用意されています。そんな会議室での会議を快適にするWebexデバイスですが、昨今のアップデートによってMS Teams会議でも利用出来るようになっています。いくつかの利用パターンがあるのですが、今回はもっとも簡易的な活用法である「USBパススルー」についてご紹介したいと思います。最後まで是非よろしくお願い致します。
MS Teams会議におけるWebexデバイス活用術
CiscoWebexでは昨今のアップデートで、Webexデバイスのマルチプラットフォーム対応が加速しています。中でもMicrosoftTeamsはWebexデバイスが最も連携が取れるプラットフォームです。MS Teamsでは以下3パターンの活用方法があります。
今回は、「USBパススルー」を利用したMS Teams会議でのWebexデバイス活用についてご紹介します。
USBパススルーとは
USBパススルーとは、USB経由のデータを素通りさせてくれる機能です。WebexデバイスではHDMIケーブルを利用して、PCの映像や音声をWebexデバイスに“出力”させる使い方が一般的ですが、USBパススルーに対応したWebexデバイスでは、Webexデバイスの映像や音声をPCに“入力”させることができます。つまり、Webexデバイスに搭載された高品質なカメラ/マイク/スピーカーをPCの外付けカメラ/マイク/スピーカーとして利用することができるのです。
USBパススルー対応のWebexデバイスを会議室に設置することで、Webexデバイスが常設の外付けカメラ/マイク/スピーカーの役割を果たしてくれます。これにより、会議室でMS Teams会議を開催する際、Webexデバイスから伸びるUSBケーブルをPCに接続すれば、会議室に出席しているメンバー全員の音声をWebexデバイスから拾うことができます。他の会議室メンバーはマイクミュートのオンオフを気にする必要がなくなり、より会議に集中することができます。
また、Webexデバイスではカメラワークとして自動の画角調整機能が搭載されている端末があります。それらの端末では会議室映像で、人がいるところにWebexデバイスが自動でフォーカスをしてくれます。これにより、会議室内のカメラを手動で調整せずともWebexデバイスが最適な画角で映像調整をしてくれます。USBパススルーを利用しているユーザ一1人が、MS Teams会議内でビデオ・マイクをオンにしておけば、それだけで快適な会議環境が準備されるのです。
また、USBパススルー機能だけを使いたいという場合、デバイス用のライセンスを購入しなくても、ハードウェアだけ購入すればすぐにご利用いただける点もポイントです。これによりライセンスやネットワークの準備といったコストを抑えることができます。ただしその場合、WebexデバイスはWebex会議に対してもUSBパススルーを利用したPC参加しかできなくなってしまいます。本来Webex会議でのWebexデバイス利用は、柔軟なレイアウト変更や文字起こし機能、ホワイトボード機能といった様々な機能をご利用いただけますが、USBパススルーではそういった機能を利用できず、あくまで外付けカメラ/マイク/スピーカーとしての利用のみになりますのでご注意ください。
もし、MS Teams会議に招待されたときはUSBパススルーを利用してPCから会議に参加、Webex会議に招待されたときはWebexデバイスから会議に直接参加、といった使い分けをされたい場合には、クラウド登録ライセンス(A-FLEX-C-DEVICE)の購入もご検討ください。
USBパススルー対応のWebexデバイス(※2022/5/30時点)
現行のWebexデバイスでUSBパススルーに対応した端末は、以下の4機種です。
・Webex Desk Pro(CS-DESKPRO-K9)
・Webex Room Kit Mini(CS-KIT-MINI-K9)
・Webex Room USB(CS-ROOM-USB-K9)
・Webex Desk Camera(CD-DSKCAM-C-WW)
ご注意いただきたいのは、人気のRoom Kit シリーズでUSBパススルーに対応している端末が、Room Kit Miniのみである点です。話者追尾機能(スピーカートラック機能)がご利用いただける機種がRoom Kit 以上の端末であることから、現状USBパススルー対応かつスピーカートラック対応の機種は残念ながら用意されていないということになります。
ただし、先日のシスコウェビナーにて、今後発売されるWebexデバイスはUSBパススルーが標準搭載されるとの情報がございました。また直近では、Deskシリーズ(Webex Desk / Webex Desk Mini /Webex Desk Hub)とBoardシリーズ(WebexBoard Pro)の新製品発売が予定されており、Roomシリーズでも「Room Bar」という新製品が発表されましたので、今期のWebexデバイスの動向は要チェックだと思います。これらの新製品紹介はまた別の機会で特集させていただきます。
今回は以上とさせていただきます。本記事をお読みになって、
「既存で使っているRoom KitはMS Teams会議で使えないのか・・・」
「スピーカートラック機能はMS Teams会議で使えないんだ・・・」
と思われた方、そういったお悩みは「WebRTC」で解決できます。ということで次回は、活用術その2「WebRTC」についてご紹介させていただきます。次回もどうぞ楽しみに。
最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。
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