Cisco 担当者コラム
Cisco・Collaboration
Collaboration 第84回 「Microsoft Teams会議におけるWebexデバイス活用術 その3 ~ Webexアプリを利用したWebRTC ~」
こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。
前回、簡易的にWebexデバイスをMS Teams会議に参加させる活用法「WebRTC」についてご紹介させていただきました。ただしこちらは、管理者から事前に設定をいただく必要がありました。何かすぐに使える方法が無いか・・・いろいろ調べたところ、Webexアプリを利用することで管理者設定無しにWebexデバイスからMS Teams会議に参加する方法を発見しました!今回は、その方法についてご紹介します。最後まで是非よろしくお願い致します。
Webexアプリを利用したWebRTC
前回ご紹介させていただきました通り、通常WebexデバイスからMS Teams会議に参加する為には、事前に管理ポータルからWebRTCの有効化設定を行う必要がありました。今回ご紹介させていただくWebexアプリを利用したWebRTCでは、管理者設定無しにWebexデバイスからMS Teams会議への参加が可能になります。こちらを実現するには、Webexアプリの「Microsoft365カレンダー連携」と、Webexアプリからの「Webexデバイスのペアリング機能」を利用します。
Webexアプリの「Microsoft 365カレンダー連携」
まずWebexアプリの「Microsoft365カレンダー連携」ですが、Webexアプリの「設定」>「ミーティング」と進んでいただくと、「カレンダーを接続」という項目があります。こちらをMicrosoft 365と連携することで、Outlook上でスケジュールされた会議情報をWebexアプリ上で通知させることが可能になります。
それだけではなく、MS Teams会議のスケジュールに関しては、Webexアプリ上に「参加ボタン」を表示させ、WebexアプリからMS Teams会議への参加(Webブラウザにリダイレクト)が可能になります。要するに、Webexアプリだけで、Webex MeetingsもMS Teams会議も1ボタンで参加できるようになるということです。大変便利な連携ですね。
この仕組み、Google MeetとZoomでも試してみましたが、会議の通知が表示されるのはMS Teams会議だけでした。一応、Webexアプリのカレンダー上ではGoogle MeetやZoomの会議URLも会議情報として認識されており、参加ボタンらしきものも出るのですが、クリックしても全く反応がありません。現状はただの飾りなのですが、将来的にGoogle MeetやZoomにも対応するフラグなのかもしれませんね。
Webexアプリの「Webexデバイスペアリング機能」
次にWebexデバイスのペアリング機能です。Webexアプリでは超音波を使用して近くのWebexデバイスと自動でペアリングをする仕組み(プロキシミティ)があります。これによりWebexアプリとペアリングしたデバイスでは、PCからのワイヤレス画面共有や遠隔操作が行えるようになります。Webexデバイスとペアリングした状態でPCから会議参加をしますと、Webexデバイスはペアリングしたユーザ(PC)の代わりに会議参加をしてくれます。
なんとこの仕組みMS Teams会議でも使えるんです。具体的には、Webexデバイスとペアリングした状態のWebexアプリ上で、MS Teams会議への参加ボタンをクリックします。
すると、MS Teams会議への参加プレビュー画面が表示され、PC(ユーザ)の代わりWebexデバイスがMS Teams会議へ参加をしてくれます。
Webexアプリ側は、Webexデバイスの遠隔操作パネルが表示されます。PC画面上では「マイクのミュート/アンミュート」「ビデオのオンオフ」を操作可能です。会議参加方法が前回ご紹介したWebRTCと異なるものの、会議中の仕様はWebRTCと同じですのでご注意ください。
なお、WebRTCの仕組みが利用できるのは、Roomシリーズ、Deskシリーズ、BoardシリーズのWebexデバイスになります。旧式のDXシリーズやSXシリーズではWebRTCの仕組みが利用できません為、ペアリングができてもMS Teams会議への参加はできませんのでご注意ください。
また、今回の設定には公式ドキュメントがございませんでしたので、本設定は告知なく変更される可能性があります。予めご了承ください。(逆に突然GoogleやZoomに対応する可能性もあります。)
いかがでしたでしょうか。裏技気味の内容ですが、今回の方法をお使いいただきますと管理者設定無しにWebexデバイスからMS Teams会議への接続を実現することができます。ユーザ単位で簡単に設定いただけますので、是非お試しいただければと思います。なお、Webexアプリ上でカレンダー連携の設定反映に少々時間がかかります。先にカレンダー連携の設定はお済ませいただき、通知および参加ボタン表示の確認は翌日以降でご確認いただければと思います。
今回は以上とさせていただきます。次回がMS Teams活用術の最後になりまして、何の機能制限もなくMS Teams会議に接続できる「VIMT接続」についてご紹介させていただきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。
Ciscoの記事
- Security 第79回「Cisco Secure Client Cloud Managementのご利用の流れ」
- Meraki 第152回「Meraki Subscriptionライセンスについて」
- Collaboration 第146回 「高品質な音声体験を実現するCisco Webex の生成AI技術 ~Webex AI Codec~」
- Collaboration 第145回 「会議参加者リストのアイデンティティラベル機能 ~「未確認」「検証されていない」と表示される場合の対策 ~ 」
- Collaboration 第144回 「【重要】サポート終了シスコビデオデバイスに対するクラウドサービス接続について」
- Collaboration 第143回 「新製品!天井吊り外付けマイク Cisco Ceiling Microphone Proのご紹介」