Cisco 担当者コラム
Cisco・Wireless
Wireless 第35回 「Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)と家庭用無線LAN製品との違い」
改めてではありますが、本ブログで紹介しているCatalyst9100シリーズ(EWC-AP)は企業向けのAPであり、企業用の無線LAN製品になります。そこで今回は、Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)と家庭用無線LAN製品の違いについて実際の管理画面を併せて紹介させて頂きます。
最近では各社のカタログやデータシートを見ていると企業用と同じくらいスペックが高く、かつ安価な家庭用無線LAN製品が販売されている事がよくあります。
そうなると、企業で利用する場合でも高スペックで安価な家庭用無線LAN製品を利用する方が良いのではないかと思ってしまいますよね。しかしながら、実際に使ってみると通信速度が遅かったり、ひどい場合は全く繋がらないといった問題が多発してしまうケースというのはよくあります。
こういった問題が発生するのには、前提として家庭用と企業用では、想定される利用シーンが異なるという点がございます。
その為、家庭用の無線LAN製品では、搭載されているCPUやメモリの性能が少し低かったり、その他にも企業の様に複数台APを置く環境で利用するとなると電波干渉を考慮しないといけないのですが、干渉対策機能が不十分なためにスペックが高くても通信が不安定になることがございます。
一方、企業用の無線LAN製品であるCatalyst9100シリーズ(EWC-AP)では、大規模環境でも有効的な干渉対策機能が備わっております。今回はその中の代表的な3つの電波の自動調整機能についてご紹介させて頂きます。
まずは、Dynamic Channel Assignment(DCA)という機能についてです。
DCAは自動的にチャネル設定を最適化してくれる機能ですが、周囲の干渉源を検知し、可能な限り電波干渉を防ぐことが可能になります。
次にTransmit Power Control(TPC)という電波の出力を自動調整する機能です。APは何もしなければ基本的には電波を最大出力してしまうため、TPCを利用する事で周囲のAPとの干渉を避けながら最適な電波出力に自動調整する事が可能になります。
次にCoverage Hole Detection and Mitigation(CHDM)についてです。こちらは、電波範囲の計算に3点測量を利用する為、APは3台以上必要になりますが、カバレッジホール(電波が届かないエリア)を検出してクライアントの送信状況に応じてAPの送信電力レベルを増加させる機能です。
よくある利用例としては、1台のAPに障害が発生した場合、通常であればそのAPに接続されていたクライアントは通信できなくなりますが、CHDMを利用する事で他のAPの電波出力を増加させることでクライアントは再度通信することが可能になります。
Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)では、このような電波の自動調整機能を必要に応じて細かくカスタマイズをすることもできる為、企業の環境に応じた快適な無線LANの提供が可能となっております。
また、デフォルト設定では、Ciscoの過去15年の実績をベースとしたベストプラクティスになっておりますので、無線の設定に自信の無い方でも簡単に推奨設定で利用できるという点もCiscoならではのメリットだと考えております。
最後にCatalyst9100シリーズ(EWC-AP)では、同等スペックの家庭用無線LAN製品よりも通信速度や安定性も優れているという検証結果もございます。
実際に検証した内容をASCII様の記事で詳しく紹介されておりますので、こちらの記事も併せてご覧頂ければと思います!
https://ascii.jp/elem/000/004/047/4047861/
今回は以上となります。
引き続き宜しくお願いします。
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