マルチクラウド 担当者コラム
マルチクラウド・AWS
AWS 第29回『AWS Summit Japan 2024 に行ってきました』
こんにちは、DIS AWS推進チームです。
去る6/20(木)、21(金)に、国内最大の"AWSを学ぶイベント"である AWS Summit Japan が開催されました。筆者は1日目に参加してきましたが、AWSはもちろんのこと市場のトレンドなども学ぶことができました。今年はコラムの1枠をお借りして、基調講演の所感をお伝えしたいと思います。
なお基調講演・セッションは、7/5(金)まで事後登録でも閲覧できる無料のアーカイブが配信されています。見逃したりもう1度みたいセッションははやめにチェックしてください。
基調講演
ハイミ バレス氏のあいさつ
APJ バイスプレジデント & マネージングディレクター 兼 日本マネージングディレクター の ハイミ バレス氏が登壇しました。日本市場を重要ととらえこれから先もコミットする、日本のクラウドインフラを整備していくので、イノベーションを起こしてほしいとのこと。また、初日の基調講演は1万人以上が参加しているとのことです。座席外にも参加者が大勢おり、会場の様子からもAWSが国内で注目されているプラットフォームであることが理解できました。
ヴァーナー ボーガス氏のセッション
CTO兼バイスプレジデント のヴァーナー ボーガス氏によるセッションです。AIの発展についてと、技術者としてAIを駆使してグローバルな問題を解決していく使命がある、というメッセージのセッションでした。概要を書いてしまうと短いですが、AWS製品の登場しない35分にもわたるセッションで、AIが注目されていること、AWSとしても注力して取り組んでいく分野であることをあらためて感じました。
最後に「Now, go build」と書かれたQRコードがついたスライドで終了しましたが、リンク先はグローバルな問題に取り組むスタートアップ企業を紹介するAWSチャンネルでした。ヴァーナー ボーガス氏自身が出演しています。
数字のアップデート
いつものフライホイールが出てきました。ユーザーのフィードバックを基に、2023年は3410の機能開発、240以上のサービス品ぞろえ、130回の値下げがあったとのことです。気がつくと知らないサービス・機能が追加されているので、この数字には納得です。
サービスは、33リージョンと105アベイラビリティゾーンが245の国と地域でサービス提供中で、こちらも知っている数字から増えています。グローバルに需要があることがうかがえます。
Anthropic のセッション
Anthropic共同創設者 兼 チーフサイエンティスト ジャレッド カプラン 氏が登壇し、Anthropicの研究や考え方、Claude3(Anthropic が開発したLLM)を紹介するセッションでした。業界をリードする企業がなにを考えて生成AIを開発しているのかを聞くことができて大変勉強になりました。Bedrockを使うとき、「聞いたことがある」などの理由でモデルを選択していましたが、各モデルの思想や得意分野を考慮して選択すべきだと思いました。これらを理解していないと提案もできないと思います。
なお、Anthropic の Claude3 は7月から東京リージョンで利用できるようになるとのことです。
Amazon Bedrock について
AWSは顧客の生成AIニーズにあわせてインフラ、開発ツール、アプリケーションの3層へ深く投資しているとのこと。日々変化する生成AIに適応するにはすばやく実験、デプロイ、方向転換できることが重要とのメッセージもありました。そう考えると、即利用開始/終了でき、Bedrockで多数の基盤モデルを取り扱うAWSがいかに生成AIの利用に適したプラットフォームであるかが理解できます。
また、すでにAWSを活用して生成AIアプリケーションを本番稼働させているユーザーの紹介がありました。AWSが複数の選択肢を用意して、簡単に始められるようになっています。Anthropic のセッションで言っていたように、生成AIが変えていく社会の中でそのメリットを100%享受するには、すぐに開始したほうがよさそうです。
Amazon Q Business 日本語版リリース
Amazon Q Business 日本語版が2024年中に東京リージョンでリリースされます。プレビュー期間中は翻訳サービスを駆使して英語のインプットドキュメントを作成していましたが、ようやく日本語で使えるようになります。AWS上でもっとも簡単に生成AIアプリケーションを実装できるサービスですので、バリバリ活用していきたいですね。残念ながら何月リリースかは言及されませんでした。
認定資格・支援プログラム
AWSからもAI技術の認定資格が発表されました。日本語受験対応で8月にリリースされます。急成長している分野ですので、リリースされたらすぐに取得しないと内容どんどん変わってしまいそうですね。AWS内外問わず、AI技術関連はアップデートが多く勉強が大変ですが、頑張って追いつきましょう。
各種支援プログラムおよびITXパッケージファミリーにおいても生成AI関連のアップデートが多数あり、それだけニーズがあることがわかります。
まとめ
今回はAWS Summit 基調講演の所感をお伝えしてまいりました。想定していましたが、ほとんど生成AIに関する内容でした。AWSの生成AIセッションやブースは大盛況でしたし、ブース出展しているパートナーもすでに生成AI導入支援サービスを建てつけているところが数多くありました。
DISとしても販売支援の一助となるように、本コラムやメニューのアップデートを進めていきたいと思います。こうご期待ください!
最後までお読みくださりありがとうございました。
--Let's Enjoying Amazon Web Services!
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