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動いているから大丈夫は危険! 
サーバー老朽化のデメリットを理解しよう

 サーバーのリプレースにはコストがかかります。そのため、今のパフォーマンスに満足していないのに、「まだ動いているから」と導入から5年以上経ったサーバーを引き続き使っている企業も多いのではないでしょうか。

 じつは、それは事業運営の観点からも大変危険な状況なのです。サーバーもパソコンと同じように寿命があるので、長く使っているとさまざまな不具合が出てきます。場合によっては、以下のようなことが原因で業務が停止する可能性があることも、ITシステム管理者は頭に入れておかなければなりません。

・ハードウエアの故障が頻発

 サーバーは減価償却資産として耐用年数が6年と定められていることから、メーカー側も最低6年間は正常に運用できるように設計しています。とはいえ、高負荷な作業の多いサーバーを構成するパーツは経年劣化の影響を大きく受けやすく、稼働から5年足らずで寿命を迎えるものがほとんどです。例えば、モーターによる可動部を持つハードディスクは24時間365日稼働し続けると、4年から5年程度で故障すると考えられます。電源ユニットも熱などの影響でコンデンサが経年劣化し、3年から5年くらい経つと規定の電圧が出せず、サーバーが起動できなくなることがあります。

・交換部品の欠品で修理できない

 ハードディスクや電源ユニットなどは汎用的なパーツなので、故障した場合でも交換部品の手配に困ることはないでしょう。しかし、プリント基板などのパーツはメーカー独自の仕様で設計されているため、故障した場合は入手に時間がかかったり、最悪のケースでは製造が終了しているケースも考えられます。

・サイバー攻撃の進化についていけない

 サーバーセキュリティの最新トレンドは、ハードウエアレベルのセキュリティです。最近は、サーバーのファームウエアを狙ってくるサイバー攻撃も目立ってきました。そういった攻撃には、アンチウイルスソフトでは対処できないため、セキュリティチップが搭載された最新のサーバーを使用しなければなりません。

企業活動に直結する
「新しいサーバーを使うメリット」

 サーバーをリプレースするメリットは、このような不具合が原因となって、サーバーがダウンしないようになるだけではありません。新たに、次のような効果をもたらします。

・処理速度の大幅な向上

 ハードウエアの進化によって、サーバーの処理能力も年々大きく進化しています。例えば、サーバー用CPUはコア数やクロック数の増加だけでなく、アーキテクチャが進化することで、データベースアプリなどでの処理能力に大きく影響する、メモリアクセスの速度も高速化しています。

・運用コストを削減

 サーバーの消費電力の内訳は、CPUとメモリでおよそ40%を占めています。最新のCPUは性能が向上したにもかかわらず、製造プロセスの微細化や周辺デバイスの内蔵化などにより、消費電力の増加が抑えられています。また、5年前と同程度の処理能力を持ちながらも、低消費電力を実現するCPUを搭載したサーバーもあります。コストパフォーマンスが大きく向上した最新のサーバーにリプレースすれば、ハードウエアのトータル運用コストが大幅に削減できます。

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新たな機器導入によるコスト削減やパフォーマンス向上の一例(提供:インテル)

 一方、世の中ではITの力を使ってイノベーションを加速する、デジタルトランスフォーメーションの動きが活発化しています。さまざまな分野においてデータの分析・活用の重要性が高まり、インターネットを流れるデータの量は、2011年の約1.8ゼタバイトから2020年には約40ゼタバイトにまで達すると予想されています。

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(出典)総務省「ICTコトづくり検討会議」報告書

 このようなデジタル社会で生き残りをかけたレースに挑む企業は、データをガソリンとしてサーバーというエンジンをフル稼働させなければなりません。したがって、常にサーバーをベストの状態に保っておくことが重要になるのです。

 戦略的なITの活用は、企業の課題でもある生産性向上・業務改善につながり、これからの利益を作るための投資でもあります。最新・高性能のサーバーへとリプレースすることは、投資最善策の有力策です。

「サーバーの処理速度が遅くなってきた」とか「サーバーが古くなってきた」と感じてからサーバーのリプレースを計画し始めても遅いのです。2020年1月に迫ったWindows Server 2008/2008 R2のサポート終了を、デジタル社会で勝ち抜く“攻め”の勝機と捉え、最新のサーバーでITの基盤を固めましょう。

残された時間は少ない!
サーバー導入から運用・展開までのポイント

 Windows Server 2008/2008 R2のEOS(延長サポート終了)まであと1年に迫りましたが、あまり猶予はありません。サーバーのリプレースは、きちんと手順を踏みながら進めていく必要があるからです。以下は、一般的なサーバーのリプレース手順におけるポイントです。

1.計画・要件定義

 長くサーバーを使っていると、現場で必要とするサーバーの要件にも変化があるでしょう。自社で稼働しているリプレース該当のサーバー台数やバージョンをはじめとして、それぞれのサーバー上で動いているアプリケーションが勘定系なのか、情報系なのか、制御系なのかといった項目を整理し、明確に把握しておくことが必要になります。そのため、計画を立てる段階で自社のIT資産の棚卸しを行い、できる限り現場レベルで必要な要件を洗い出しておきましょう。

2.予算確保

 予算はサーバーの性能に直接影響します。欲しい要件をすべて満たすと予算が膨らむばかりなので、まず予算を確保してから仕様について検討しましょう。

3.システム設計・試験運用

 サーバーの設定変更を最小限に抑えるため、ホスト名やIPアドレスなどは、できる限り現システムのものを引き継ぎましょう。

4.動作確認・フィードバック

 動作確認の段階では実際にシステムを稼働させるので、その前までに万が一のためにデータのバックアップをとっておきましょう。

5.運用・展開

 ここまでの手順が終了すれば、いよいよ新システムによる本番運用です。ただし、すべての処理が確実に移行されていることを確認するまでは、旧システムと並行運用させておくことも必要です。

 従来の環境をどの程度残すのか、あるいは刷新するのかによって、これらの手間も変わってきます。いずれにしろ、サーバーのリプレースにはコスト面や作業への影響も含め、経営層をはじめ社内全体の調整が必要になります。そのためにも、少しでも早くリプレースの検討を始めましょう。

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一般的なサーバー移行のタイムスケジュール例

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