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Collaboration 第83回 「Microsoft Teams会議におけるWebexデバイス活用術 その2 ~ WebRTC ~」

 

こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。

 

CiscoWebexデバイス(ビデオ会議端末)は、会議室の規模や使用用途に合わせて豊富なポートフォリオが用意されています。そんな会議室での会議を快適にするWebexデバイスですが、昨今のアップデートによってMS Teams会議でも利用出来るようになっています。いくつかの利用パターンがあるのですが、今回は簡易的にWebexデバイスをMS Teams会議に参加させる活用法「WebRTC」についてご紹介したいと思います。最後まで是非よろしくお願い致します。

 

MS Teams会議におけるWebexデバイス活用術

CiscoWebexでは昨今のアップデートで、Webexデバイスのマルチプラットフォーム対応が加速しています。中でもMicrosoftTeamsはWebexデバイスが最も連携が取れるプラットフォームです。MS Teamsでは以下3パターンの活用方法があります。

 

今回は、「WebRTC」を利用したMS Teams会議でのWebexデバイス活用についてご紹介します。

 

WebRTCとは

WebRTCとは、Web Real-Time Communicationの略称で、Webブラウザ上で音声や映像など大容量のデジタルデータをリアルタイムに送受信できる技術です。多くの方は、Webブラウザを利用したWeb会議参加の経験があるかと思いますが、それには「WebRTC」の仕組みが使われています。その為、一般的に「WebRTC」はPCやスマートフォン等のクライアント端末のみ対応していると思われがちですが、実はWebexデバイスも「WebRTC」に対応しています。つまり、WebexデバイスのWebRTCを利用することで、WebexデバイスからMS Teams会議やGoogle Meetなどの他社Web会議サービスに直接参加することができるのです。

 

 WebexデバイスのWebRTCを利用するメリット・デメリット

・メリット

WebRTCに対応したWebexデバイスを会議室に設置することで、会議室が常にWeb会議にも接続できるハイブリット空間に変わります。会議室にいる方は様々なWeb会議に対してPCレスで参加できるようになります。PCから会議に参加する必要がなくなるので、会議室メンバーはわざわざ外付けのマイクスピーカーなどの持ち込みが不要になります。

 

また、Webexデバイスではカメラワーク機能として自動の画角調整機能が搭載されています。人がいるところに自動でフォーカスをしてくれるベストオーバービューや、話者にフォーカスしてくれるスピーカートラックにより、会議室メンバーが手動でカメラの調整をせずとも、Webexデバイスが常に最適なカメラの画角調整をしてくれます。これにより、会議室のメンバーはより会議に集中することができます。

 

・デメリット

WebexデバイスからMS Teams会議への参加を実現するWebRTCですが、Webex会議でWebexデバイスを利用する場合と比較して、いくつかの機能制限があります。

 

まず、Webexデバイスから会議番号を入力して参加するようなダイヤルインが出来ません。どうするのかというと、Webexデバイスを1ユーザと見立てて、Webexデバイスに招待メールを送る必要があります。すると招待メールを受け取ったWebexデバイスは招待メールに記された会議URLを読み取り、デバイス上にMS Teams会議への参加ボタンを表示してくれます。会議室に入ってからWebexデバイスを操作しようとして操作項目はありません為、事前スケジュールをお忘れなきようご注意いただければと思います。

 

次に、WebRTCを利用したWebexデバイスでは、会議中に画面レイアウト変更や画面共有の操作が出来ません。WebRTCを利用したWebexデバイスでは、あくまで「マイクのミュート/アンミュート」と「ビデオのオンオフ」の操作しか出来ません。レイアウトに関してはMSTeams会議の場合、2×2の4画面グリッドビューで固定になります。またWebexデバイスに画面共有ボタンが無い為、画面共有をしたい場合はPCからMS Teams会議に参加してPCから画面共有をする必要があります。PCレスで会議に参加できるようになると言ったものの、画面共有の目的でPCはMS Teams会議に参加しておく必要はあるのでご注意ください。

 

最後に、WebexのWebRTCに対応した会議プラットフォームは、現在のところMicrosoft TeamsとGoogle Meetの2サービスのみになります。Zoomの会議ではWebRTCを利用したWebexデバイスからの会議参加できませんのでご注意ください。

 

WebexデバイスのWebRTC設定手順

具体的な設定方法につきましては、下記ドキュメントにまとめて公開をしております。

※アクセスには韋駄天へのログインが必要です。韋駄天IDをお持ちでない方は弊社営業担当までご確認ください。


CiscoWebex デバイスにおける Microsoft Teams 連携設定 WebRTC接続によるMicrosoft Teams会議参加手順


設定内容について簡単にご紹介しますと、WebRTCを利用する為には、Webexデバイスが招待メールを受信できるようにする必要がある為、Webexデバイスにメールアドレスを持たせる設定をいただくのと、Webexデバイス自体のWebRTCを有効化する必要になります。

・Microsoft 365での共有メールボックスの準備

・Control HubでのMicrosoft 365 連携設定

・Control Hubでの WebRTC接続有効化

ドキュメントを見ていただくと分かるのですが、連携設定は「認証」ボタンをクリックいただくだけの簡単な操作になりますし、WebRTC有効化も1クリックで完了しますので、そこまで設定難易度は高くありません。簡単に導入いただける設定かと思いますので、Webexデバイスをお持ちのお客様は是非お試しいただければと思います。また提案におかれまして、MS Teamsをメインで使われているお客様にもWebexデバイスの提案がしやすくなる設定かと思いますので、マルチプラットフォームをキーワードにご拡販いただければと思います。

 

今回は以上とさせていただきます。今回ご紹介させていただいた設定は、少々管理者から設定が必要な内容でしたが、実は管理者設定不要でWebexデバイスからMS Teamsへの参加が実現できる方法もあります(裏技?)。次回はその方法をご紹介できればと思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。

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