Cisco 担当者コラム
Cisco・Collaboration
Collaboration 第104回 「Active Userプランの更新数確認方法 その1 ~Active Userプランの概要(True Forward)~」
こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。
Webexには「Active Userプラン」といMeetings開催状況(ライセンス利用状況)に応じて課金されるお得なパッケージプランがあります。1年ごとに次年度請求金額が変更(増加)される仕様の為、私のところにも時々「どういう仕組みなの?」「利用状況を確認するにはどうしたらいいの?」といった問い合わせをいただきます。そこで今回は、Active Userプランをご検討中のお客様、またはご契約のお客様(ご提供のパートナー様)向けにActive Userプランと更新概念(True Forward)についてご紹介したいと思います。
※本記事ではFLEX 3.0(A-FLEX-3)の契約におけるActive Userプランについてご紹介させていただきます。A-FLEXやA-SPKでは、契約条件や提供条件が異なる場合がありますので予めご了承ください。
Active User(アクティブユーザ)プランとは?
ActiveUserプランは、ライセンスを複数本(40ライセンス以上)ご契約いただく場合に選択いただけるお得なまとめ買いパッケージです。単価だけ見ますとNamed User (単品購入)プランのMeetingsの方が少し安いのですが、Active User プランの1ライセンスには、Meetings以外にも、WebinarsやCisco devices用ライセンス等が含まれていますので、特にMeetings以外にもWebexサービスをご利用いただく場合に、1ライセンスあたりの単価が抑えられる非常にお得なプランとなっています。
これだけ聞くと単純にお得なまとめ買いパッケージなのですが、Active Userプランにはもう一つ契約上の大きな特長があります。それは、利用する人数(アクティブユーザ数)によって課金ライセンス数が変動するという仕組みです。例えば、組織でWebexライセンスを100ライセンス契約したとします。通常であれば、当然100ライセンス分の請求が発生するのですが、Active Userプランでは、実際に利用した人数(アクティブユーザ数)が課金対象となりますので、実際ライセンスを利用した人が40名なのであれば、40ライセンス分の課金で契約が可能になります。
契約時に関しては、アクティブユーザ数は見込みの数字となりますので、課金ライセンス数の最低契約数は、40本以上であれば特に追加条件はなくActive Userプランのご契約が可能です。例えば、従業員(ナレッジワーカー)が1000名いるので、とりあえず1000ライセンス(ナレッジワーカー数)分を契約するけど、実際に利用する人は40名くらいだから、とりあえず課金ライセンス(請求)は40ライセンス分で契約する、ということも可能です。
では、上記の例で、仮に実際利用される方が200名いらっしゃった場合、課金ライセンスはどのように変動するのでしょうか。ここが少し複雑で、毎年利用者数に合わせて課金ライセンス数が自動でアップセルする仕組みになっています。この自動アップセルの仕組みをCisco用語で「True Forward」と言います。つまり、初年度は40ライセンス分で請求されたけども、次年度は200ライセンス分で請求がされるということになります。
いつのタイミングで次年度の課金ライセンス数が確定するかというと、契約年度の9、10、11ヶ月目の平均利用者数(平均AU数)に応じて次年度の課金ライセンス数が決定されます。例えば、3年一括でライセンス契約した場合の追加請求の遷移は下記のようになります。
つまり、複数年一括で契約されている場合も、毎年True Forwardは適用されて、差分があればその分が毎年追加請求されるということです。よくTrue Forwardは契約更新時にしか適用されない、と勘違いされることも多いのですが、年度でTrue Forwardが適用される点は十分ご注意いただければと思います。また、3年目の例で分かる通り、True Forwardは “増数“時のみ適用され、利用頻度が少なかったからといって”減数“はされません。あくまでアクティブユーザ数が課金ライセンス数を超えた場合に増数が発生するという点はご注意いただければと思います。
次に、アクティブユーザとしてカウントされる条件ですが、その月に一度でも会議を開催・スケジュールしたユーザはアクティブユーザとしてカウントされます。例えば、誤って会議開始ボタンを押してしまって直ぐに会議を終了したとしても、会議を開催したということで1ユーザ分にカウントされますので、課金ライセンス数を運用で制限されている場合には注意が必要です。
また、アクティブユーザを算出する期間(9か月目、10か月目、11カ月目)の設定に関しては、例えば、契約更新日が2023年3月31日だとすると、3月31日を含み前30日間を12カ月目としてカウントします。つまり、11か月目は1/31~3/1、10か月目は1/1~1/30、9か月目は12/2~12/31となります。
なお、3カ月間の平均AU数小数点が発生する可能性がありますが、この場合の小数点は切り上げで計算をします。また最終的なTrue Forwardの見積/請求の確定は、11か月目終了時点ではなく、終了日から6日程度かかるようです。
ちなみに、契約ライセンス数が多いから増数更新が起こるので、そもそも契約ライセンス数と課金ライセンスを同数にしておけば(例、契約ライセンス40ライセンスで、課金ライセンスも40ライセンス)、アクティブユーザ数が課金ライセンス数を超えることはありません。またそのような契約も可能ではあります。ただし、もともとのActive Userプランの主旨は利用人数に応じた課金を実現することにありますので、契約ライセンス数と課金ライセンス数を一緒にしてしまうと、利用本数のバッファがなくなり、本来の主旨にそぐわない契約となってしまいます。また、旧ライセンス(A-FLEX(FLEX2.0))のActiveUserプランでは、契約ライセンスの最低本数が250ライセンスになっているので、型番や数量によってはそもそも、契約ライセンス数=課金ライセンス数の構成が組めない場合もあります。規約上で禁止されているわけではありませんが、すでに固定で契約本数が決まっているようであれば、Named UserやEnterprise Agreementといったライセンス本数が固定されたプランをご検討いただければと思います。
今回ご紹介した内容は、下記の参考資料も合わせてご確認いただければと思います。
・[Webexヘルプセンター] Control Hub FLEX True Forwardレポートエンタープライズ契約
https://help.webex.com/en-us/article/5qmtl1/(英文)
https://help.webex.com/ja-jp/article/5qmtl1/(日本語訳)
今回は以上となります。次回はアクティブユーザ数の確認方法についてご紹介したいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。
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