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Collaboration 第131回 「注目ソリューション!Ciscoデバイス for MTR(Microsoft Teams Rooms)のご紹介 その2 ~ これまでのTeams連携との違い ~」

こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。

前回、MTRの概要についてご紹介しました。今回はもう少し深堀して、これまでにあったTeams連携と具体的にどういった違いがあるのかご紹介したいと思います。最後まで是非ご覧ください。

 

■これまでのMicrosoft Teams連携おさらい

これまでMicrosoft Teams連携は、主に「USBパススルー」「WebRTC」「VIMT」の3パターンの連携があるとご案内してきました。

USBパススルーは単純な外付けカメラ/マイク/スピーカーとして接続・利用するパターン。WebRTCとVIMTはどちらも会議端末として直接Teamsに参加しにいく接続ですが、利用用途・導入機能に合わせて、簡易的に接続を実現するのがWebRTCで、詳細設計が必要な代わりにフルスペックで接続ができるのがVIMT、といった具合の使い分けになっていました。

(詳細は記事参照:USBパススルーWebRTCVIMT

 

接続方式の観点からこちらの表にMTRを追加すると、こんな感じになります。

MTRモードはWebRTCと同様のHTTP接続となりますので、VIMT(SIP接続)と比較すると映像・音声の品質面で若干劣ります。一方で、Webex のWebRTCではTeams利用時にレイアウント変更ができなかったり、端末のHDMI/USB-Cからの画面共有ができなかったり、といったTeams上での機能制限があったのですが、MTRの場合Teams専用のOSになりますので、そういったTeams上の機能制限はありません。Teams利用においては、MTRが最も簡単かつ利用メリットのある接続・利用方式になるかと思います。

 

表だけ見ると「WebRTCを採用するくらいならMTRの方がいいじゃないか」と思われるかもしれません、が実際はそうでもありません。特にWebexでの利用を想定すると、WebRTC採用にメリットが出てきます。次にその理由をWebRTCとMTRを比較しながら説明していきたいと思います。

 

■MTRモード vs WebRTC接続方式

MTRとWebRTCを比較表にまとめると次のようになります。

ここで注目いただきたいのは、1. どの会議ツールで利用するか、2. 細かい会議端末の管理が必要か、という2点です。


まず、1. どの会議ツールで利用するか、という点ですが、どちらの方式でも、Webex / Microsoft Teamsには参加が可能ですが、それ以外の会議、ZoomやGoogle Meet、SIP/H.323端末への接続に対しては、トータルとしてWebRTC接続方式(Webexエクスペリエンス)に優位性があります。ただし、Zoom参加に関しては、MTRの場合、特に追加要件無く参加が可能なのですが、WebRTCの場合、Zoom側でCRCライセンスという有償ライセンスが必要になりますので、簡易的にTeamsとZoomで使いたいという場合は、MTR利用がオススメです。

一方で、会議端末をWebexで利用する可能性がある場合、冒頭Teams利用においてはMTRでは利用制限が無い、とお伝えしましたが、逆にMTRモードでWebexに接続をしますといくつか機能制限が出てきます。特に、MTRモードではWebex参加時に会議IDを入力しての参加がいただけませんので、参加時に手間取る可能性が高いです。その面で、WebRTC接続方式の場合、TeamsでもWebexでも会議IDでの参加が可能なので、Webexで利用する可能性がある場合は、断然WebRTC接続方式(Webexエクスペリエンス)がオススメになります。

 

次に、2. 細かい会議端末の管理が必要か、という点です。Teams Roomsは、Web会議(リモート会議)をベースに作られたソリューションになりますので、あくまで会議室で専用端末を使いたいという目的にフォーカスした設計となっています。そうなると、極論ビデオや音声が届けられればいい、ということになりますので管理性は決して高くありません。一方で、Webexはビデオ会議(会議室会議)をベースに作られたソリューションになりますので、会議端末の管理性が非常に高く、会議に関連した様々な事項にフォーカスをした設計になっています。WebRTC接続(Webexエクスペリエンス)であれば、会議室の利用状況であったり、端末の稼働状況であったり、細かい管理がいただけますので、端末をしっかり運用管理されたいと言う場合は間違いなくWebRTC接続(Webexエクスペリエンス)がオススメです。

 

以上を踏まえると、個人的には普通に使う分にはWebRTC接続(Webexエクスペリエンス)が操作・管理両面でオススメの使い方になります。ただし、今回触れませんでしたが、WebexエクスペリエンスではWebexクラウド登録ライセンス(デバイスライセンス)が必要になりますので、Teamsしか使いわないというお客様に限ってはMTRモードがオススメになります。まずはお客様がどのような環境で会議端末導入を検討されているかヒアリングいただき、最適なモードを選定いただければと思います。なお、前回お伝えした通り、モード選択は初期セットアップ時に可能ですので、まずはどちらかで運用してみてから最終稼働モードを決定いただければよいのかな、と思います。

 

Ciscoデバイス for MTRにつきましては、Ciscoからもいくつか記事が出ておりますので、こちらも併せてご確認いただければと思います。

・【Ciscoホームページ】CiscoDevices for Microsoft Teams Rooms (MTR概要)

・【Ciscoホームページ(英語)】CiscoRoomOS for Collaboration Device – Microsoft Teams Rooms(インストール方法や使用方法など)

【Ciscoコミュニティ記事】MicrosoftTeams Rooms (MTR) デバイス - よくある質問 (FAQ)

 

今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

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