Cisco 担当者コラム
Cisco・Meraki
Meraki 第111回 「MXのVPNがNAT越えできる理由とは?」
今回はMerakiのAuto VPNのNAT越えの挙動について、少し深い話をしてみたいと思います。
MerakiのMXシリーズのAuto VPN機能では、上流にファイアウォールがある環境で利用していても上流のファイアウォールで外側に向けてポートを開放したり、ポートフォワーディングの設定を行ったりする必要なく、MX間でVPNを張ることができます。
その仕組みがUDPホールパンチングというクラウドならではの面白い仕組みです。
まず、Meraki MXはそれぞれUDPポート範囲32768-61000の中から動的に使用するポートを選択して、Merakiのクラウド(クラウドレジストリ)に登録します。
すると、なんということでしょう。
先ほどの通信で左側拠点のFWではNATテーブルが生成されており、ステートフルファイアウォールによって戻りのトラフィックが許可されているため、通信がMXに到達します。
ちなみにもしうまくいかない場合にはUDPポート範囲32768-61000の中から別のポートを使用して接続を試行し続ける、という挙動を取ります。
さてこれでMX間で双方向の通信が可能になりましたので、無事VPNが確立します。すごい!
ちなみに、UDPホールパンチングについての注意点ですが、上位のファイアウォールが静的に内側から外への通信に対して通信できるポートを制限している場合、必要なポートを開放していただく必要がございます。
この場合、クラウドレジストリとの通信にUDPポート9350/9351番を使用、MX間のVPN接続にUDPポート範囲32768-61000を使用します。
現状、UDPポート範囲32768-61000についてはヘルプのファイウォール情報にも表示されないため、上流にFWがある環境では忘れずにこちらのポートの開放状況についてもチェックするようにしてください。
今回は以上となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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