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Designedラボ 第04回 「C2960Lは設定しなくても使えるのか?その4」

こんにちは。社会人2年目の新米SEのTEと申します。

今回は、工場出荷状態のCatalyst2960Lでは、PoEが動作するのか?という事について検証したいと思います。近年はアクセスポイントの需要がどんどん増えておりますので、PoEが使えないと結局設定しないと使えないじゃん。という事になりかねませんのでしっかり白黒つけていきたいと思います。

では、早速ですが、今回検証に使用する機器は、以下となります。
・設定済みのルータ(インターネット接続用兼DHCPサーバ)
・WS-C2960L-8PS(工場出荷状態のPoEスイッチ)
・設定済AIR-AP1815I-Q-K9C(仮想コントローラ内蔵アクセスポイント)
・接続用クライアントPC
・設定用PC(TeraTermインストール済み)
・メタルケーブル
・コンソールケーブル

そして下図が最終的な構成イメージとなります。

まずは、スイッチとAPをPoE接続する前に必ずチェックしないといけないポイントがございます。それは、スイッチのサポートしているPoE規格PoEの総電力供給量です。
また、対向側のAPがサポートしているPoE規格電力消費量についてもチェックする必要があります。

データシートによると、WS-C2960L-8PSでは 802.3af802.3atの両方PoE規格をサポートしており、使用可能な PoE 電力が67Wと記載があり、これはつまり合計67Wまでしか電力を供給できないという事になります。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/collateral/switches/catalyst-2960-l-series-switches/datasheet-c78-737665.html

そして、次にAIR-AP1815I-Q-K9では、データシートによると802.3af /802.3atのPoE規格をサポートし、消費電力が最大8.3Wと記載があります。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/collateral/wireless/aironet-1815-series-access-points/datasheet-c78-738243.html

これらの情報から、PoEの規格と電力については双方問題ない事が分かりましたので、実際に接続したいと思います。

まずは、設定済(WAN側は接続済)のルータとC2960Lの8番ポートに接続します。
次に、AP1815iと C2960Lの1番ポートに接続します。
すると、APのLEDランプが緑色に点滅し、APの電源が入りました!
さて、無事に電源は入りましたが、正しく給電されているかを確かめる為にC2960Lでshow power inlineコマンドを打つことによりPoEのステータス(実際の使用電力量など)を確認したいと思います。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/td/docs/sw/lanswt-access/cat2960swt/cg/004/14988-01.html#61457

設定用PCとC2960Lをコンソールケーブルで接続し、ターミナルソフトウェア(Tera Term)を起動し、CLIコマンドで下記の赤字部分を入力します。
--------------------------------------------------------------------
Switch>enable
Switch#show power inline

(以下、出力結果)
Available:67.0(w) Used:15.4(w) Remaining:51.6(w)

Interface Admin Oper Power Device Class Max
(Watts)
--------- ------ ---------- ------- ---------------------- ------ -----
Gi0/1 auto on 15.4 AIR-AP1815I-Q-K9 0 30.0
Gi0/2 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/3 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/4 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/5 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/6 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/7 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
Gi0/8 auto off 0.0 n/a n/a 30.0
----------------------------------------------------------------------

ん??皆さんお気付きでしょうか?
青字の部分にご注目下さい。今回接続しているAP1815iは消費電力が最大8.3Wのはずが、実際には2倍近くの15.4Wも消費しておりました。また、オレンジ色の部分を見ると確かにUsed:15.4(w)となっております。

スイッチの供給電力量的には問題ないため、AP1815iからは設定通り「test-ssid」が払い出されており、クライアントPCで無線接続するとインターネットに無事抜けることができました。

ひとまず、今回の結果からは工場出荷状態のC2960LではPoEは動作するという事が分かりました。

今回の様に1台のAP1815iだと問題ありませんが、仮にAP1815iを5台接続した場合どうなるのでしょうか?
通常であればAP1815iの消費電力が最大8.3Wなので、合計消費電力は8.3(W)×5(台)=41.5(W)となります。
WS-C2960L-8PSの総電力供給量は67Wなので、電力量的には余裕なはずです。
しかし、今回の検証では、AP1815iのデータシートに記載されている最大消費電力よりも実際には2倍近く消費していました。

次回はこの疑問について調査したいと思います。また、あわよくば設定によりポート毎に供給電力量が調整できるのかについて検証したいと思います。

以上です。

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