Cisco 担当者コラム
Cisco・Wireless
Wireless 第20回 「Catalyst9100シリーズ紹介 管理編2 ~アプライアンス型無線LANコントローラによる集中管理~」
前回は、9100シリーズの管理方式である集中管理型についてご紹介させて頂きました。
今回は、9100シリーズのアプライアンス型無線LANコントローラによる集中管理についてご紹介させて頂きたいと思います。
9100シリーズの集中管理型の管理パターンとしては、大きく分けて下記の2通りございます。
1.アプライアンス型の無線LANコントローラによる集中管理型
2.アクセスポイント内部の仮想コントローラ(EWC-AP)による集中管理型
1.については、アプライアンス型の無線LANコントローラを導入し、そのコントローラによってアクセスポイントを集中管理する方法です。
当然、この管理方法では、コントローラが必要になります。9100シリーズをサポートするコントローラとしては、従来のAireOS搭載の無線LANコントローラ(3504や5520など)もございますが、今回はCatalyst 9800シリーズという製品が新たに追加されておりますので、そちらの製品を簡単にご紹介させて頂きます。
Catalyst 9800 シリーズ 無線LANコントローラのラインナップがこちらです。
なお、Catalyst 9800シリーズで管理可能なアクセスポイントは、Catalyst 9100シリーズだけでなく、Aironetシリーズもございます。詳細については、下記をご参照下さい。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/controller/9800/17-3/release-notes/rn-17-3-9800.html#id_88396
Supported Cisco Access Point Platforms
そして、従来のAireOSコントローラとの大きな違いとしましては、搭載されているOSがIOS-XEである事が挙げられます。
簡単に言ってしまうと、Catalyst 9800シリーズは、従来のAireOSの無線LANコントローラの機能とCatalystスイッチのIOS-XE機能の良いとこどりをした次世代の無線LANコントローラになります。
9800シリーズで新たに追加されたIOS-XEの機能については、主に下記がございます。
・ワイヤレスコントローラSMU
脆弱性や不具合などの問題が発見された際に、コントローラにパッチを適用する事でクライアントのダウンタイムなく問題を修正する事が出来る機能
・In Service Software upgrade (ISSU)
ネットワークがパケットの転送を続けている間に、コントローラのイメージを新しいリリースにアップグレードするもしくは、以前のリリースにダウングレードする事ができる機能
・AP Service Pack
他のAPモデルに影響を与えることなく、特定のAPのみにサービスパックを適用し不具合を修正する事ができる機能
・AP Device Pack
コントローラのアップグレードをすることなく、新しいモデルのAPの導入ができる機能
・ローリングAPアップグレード
ネットワーク内で数台のAPを稼働させつつ、段階的にAPをアップグレードする事でネットワークすべてを止めずにAPをバージョンアップできる機能
これらの機能により、どのような場合でもなるべくダウンタイムが短く、安全で途切れない無線LANの提供が可能になるので、今後ビジネスシーンなどでも無線LANを利用することがますます多くなっていく中で、非常に便利な機能だと思いました。
しかしながら、搭載OSが異なりますので、設定方法や操作画面は、従来のAirOSと全く異なりますので、ご検討される際は、ご注意頂ければと思います。
その他、Catalyst9800シリーズコントローラの機能については、下記Catalyst列をご参照下さい。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/access_point/feature-matrix/ap-feature-matrix.html
こちらは、アクセスポイントモデル毎にCatalyst 9800シリーズで管理した場合とEWCで管理した場合の機能サポート可否がリスト化されているので、とても便利です!是非ご覧ください。
少し長くなってしまったので、今回はここまでとさせて頂きます。
次回記事では、もう一つの管理パターンであるアクセスポイント内部の仮想コントローラ(EWC-AP)による集中管理についてご紹介させて頂きます。
引き続き宜しくお願いします。
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