国内サーバーは、クラウドサービスの成長、AI技術の進化などを背景に需要が増している。そうした中、大容量、高性能なサーバーに刷新することで、ストレージ容量の増加や処理能力の向上、ネットワークの向上を推進する。また、2026年10月にWindows Server 2022のメインストリームサポート終了を控えており、老朽化した故障リスクの高いサーバー機器のリプレースの機会として提案が有効となるだろう。そこで、サーバー市場の実態を確認し、今後のサーバー提案に生かしていこう。
課題が残るEOSサーバー移行
企業が運用するサーバーにおいて現在一番ネックとなっている課題は何か。それは、Windowsサーバーのリプレースではないだろうか。Windowsサーバーではバージョンごとに比較的早い周期でサポート期限を設けている。サーバーのリプレースは、機器の老朽化による性能の低下や新しいOS・ソフトウェアへの対応、セキュリティの担保など、システムを安全に保つために必要な工程となる。特にWindowsサーバーでサポートされ、常に更新されているセキュリティパッチは、システムの脆弱性を狙うサイバー攻撃からシステムを守るために効果的な防御策だ。しかし、サポート期限の切れたサーバーを使い続けてしまうケースは一定数残存するようだ。そこで、MM総研が実施したWindowsサーバー市場の調査を基にサーバー運用の実態を概観する。
MM総研の調査によると、2025年12月時点のWindows Server 2016の総稼働台数は25万4,577台となった。Windows Server2016のEOSは2027年1月12日となっているが、2025年12月以降、着実に稼働台数を減らし、2027年6月に4万1,209台となった後は4万台の水準を維持しつつ減退していくと予測している。同調査を踏まえると、サポート切れで稼働中のサーバーが残存していることが分かる。
2025年12月末時点での企業規模/移行段階別のWindows Server 2016の稼働台数も見ていこう。同調査では今後の想定も含めたサーバー運用状況の内訳も明らかにしている。従業員数250名以上の大企業では、Windows Server 2016の稼働台数は12万1,932台だ。そのうち「移行調査中」は9万290台で、全体の74%を占める。「移行中」は1万6,461台で14%だ。一方で「EOS認知なし」は1万4,250台となっており、12%となっている。「移行見通しなし」は929台で、1%の割合で残存する。
従業員数249名以下の中小企業の稼働台数と内訳も見てみよう。Windows Server 2016の稼働台数は13万2,645台だ。「移行調査中」は5万5,458台で、全体のうちの42%だ。「移行中」は2万7,317台で21%だ。一方で「EOS認知なし」は2万6,234台となっており、20%も存在する。「移行見通しなし」は2万3,639台で、18%残存するという結果となった。上記の結果を踏まえ、大企業への認知向上を推進して稼働中の全てのWindows Server 2016の移行を促すことはもちろん、中小企業で非認知となっている要因を探り当てる必要があるだろう。
移行先の環境(台数)
出所:MM総研「国内Windows Server 2016 稼働台数調査」
移行支援と企業に合ったサーバーを模索
Windows Server 2016の移行先の環境もさまざまな選択肢に分かれている。例えば、前述した総稼働台数の25万4,577台のうち、「移行調査中/移行中」は18万9,525台で「EOS認知なし/移行見通しなし」は6万5,052台となる。「移行調査中/移行中」の18万9,525台の内訳は、「仮想化環境へ移行」が13万9,493台、「ベアメタルへ移行」が3万8,201台、「クラウドへ移行」が1万1,830台だ。移行先の構成比としては、「仮想化環境へ移行」が55%、「ベアメタルへ移行」が15%、「EOS認知なし/移行見通しなし」は26%、「クラウドへ移行」が5%となっている。割合としては、ベアメタルサーバーへの移行が多い傾向を示している。しかし、仮想環境にせよベアメタルサーバーにせよ、移行調査段階の結果の内訳であることから、企業の業務やデータの運用方法、データの活用意向をヒアリングした上でサーバー環境を提案することで、企業のサーバー課題解決の活路を見出せそうだ。
ここで、OS更新における阻害要因についての回答を参照してみたい。Windows Server 2016の移行で具体的な行動を起こせていない理由としては、上記の回答が挙げられる(上図を参照)。本回答の中では「社内の人手不足」がトップとなっているが、「予算の確保、経営層への上申理由、理解」は回答数56(32.2%)、「アプリケーションの改修コスト、追加開発費用等が高い」は回答数35(20.1%)、「移行の必要性は分かるが、自社に合ったサービスがどれかよく分からない」は回答数21(12.1%)で続き、企業ごとにさまざまな要因を抱えている。特に上図に挙げた阻害要因に着目すると、社内のIT担当者の人手不足はより深刻化しているとMM総研は分析する。情報やツールの拡充だけでなく、工数の支援も求められる状況となっている。
今後のサーバー提案に際しては、顧客企業のサーバーの実態や阻害要因を丁寧に確認していこう。販売店は業務の実態や将来ビジョンに沿った提案シナリオを構築することで、顧客企業のサーバー、データ活用をより生産的な業務に高められるだろう。
Windows 2016の移行について具体的な行動を起こせていない理由
出所:MM総研「国内Windows Server 2016稼働台数調査」