vSphere+検証記録 Cloud Gateway障害検証編

こんにちは、VMware担当の小鹿です。

本コラムは複数回に渡って、お伝えしているvSphere+検証記録の続きになります。

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今回は、vSphere+運用中に起こり得るCloud Gatewayの障害検証についてご紹介いたします。

検証背景

Cloud Consoleでは、オンプレミスにあるvCenterの仮想マシンの状態やイベント情報などを確認できますが、これらの情報はCloud Gatewayを経由しVMware Cloudへ定期的に送信する仕組みとなっております。

そのため、Cloud GatewayからVMware Cloud へ通信できなくなった場合、vCenterの状態を Cloud Consoleから確認することができません。そこで、Cloud Gatewayに不具合や通信断が発生した場合にどのくらいの時間が経過すると、Cloud Consoleに反映されるのかを検証しました。

検証環境と検証内容

・検証環境

利用した環境は以下の通りです。

コンポーネント

FQDN

vCenter Cloud Gateway

vcga.disvsp.test

vCenter Server

vcsaa.disvsp.test

ESXiホストa

esxia.disvsp.test

ESXiホストb

esxib.disvsp.test

・検証内容

Cloud Gatewayをシャットダウン、再起動した場合と、vMotion、HAが実行された場合のCloud Console上のvCenter及びCloud Gatewayの接続状態を確認しました。

接続状態が「接続済み」のステータスに変更がない場合、画面上は問題ないように見えていても、更新間隔によっては、最新の状態が反映されていない可能性があるため、Cloud Console上の仮想マシンやイベント画面が更新されているかを合わせて確認することで、最新の状態かどうかを判断しました。

Cloud Gatewayの操作内容は以下の通りです。(検証日:5/17-20)

<仮想マシンの操作>

・1 シャットダウン
・2 再起動

<vSphere機能>

・3 vMotion(別ホストへライブマイグレーション)
・4 HA(別ホスト上で、Cloud Gatewayの再起動)

正常なvCenterとCloud Gatewayの接続状態:「接続済み」

<仮想マシンの操作>

1 シャットダウン

結果:8時間後 Cloud Gateway切断
   30分後 vCenterアクセス不可

●Cloud Gateway

●vCenter

2 再起動

結果 :vCenter情報 正常に更新

●Cloud Gateway

●Cloud Console 上の仮想マシン画面

1の検証により接続状態はCloud Gatewayは8時間後に、vCenterは30分後に反映されました。
2の検証では、8時間以内にCloud GatewayがVMware Cloudへ再接続されたので接続状態が「接続済み」から変更されませんでした。

<vSphere機能>

3 vMotion

結果 :vCenter情報 正常に更新

●Cloud Gateway

●Cloud Console上の仮想マシン詳細画面

4 HA

結果 :vCenter情報 正常に更新

●Cloud Gateway

●Cloud Console上のイベント画面

3と4の検証により、Cloud Gatewayは、vMotionやHA実施後、Cloud Conole上では影響がないことが分かりました。

まとめ

Cloud Gateway vCenter
1、シャットダウン 切断されました(8時間後) アクセスできません(30分後)
2、再起動 変化なし
3、vMotion 変化なし
4、HA 変化なし

検証結果から、通信障害発生後Cloud Console上の接続状態がCloud Gatewayは8時間以内、vCenterは30分以内に再接続された場合には、「接続済み」のステータスから変更されない事を確認できました。

5回のコラムにわたって、vSphere+について紹介してきましたがいかがでしょうか。
vSphere+は運用管理向けのサービスであり、従来のライセンス管理ではESXiやvCenter毎にライセンスキーを管理していましたが、vSphere+ではクラウド上から一元的に管理できます。

ラスベガスで行われたVMwareのイベント「VMWare Explore 2023」ではvSphere+でESXiのライフサイクル管理(アップデートの管理)が可能になると発表されました。
Exploreで発表された製品の概要はこちらになります。

現在はライフサイクル管理として、vCenterのアップデートをCloud Consoleから実施できますが、今後は複数のvCenter上にあるESXiホストのバージョンを統一することが可能になります。
vSphere+の検証中にもアップデートが頻繁に行われていたため、今後の更新にも期待できます。

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